ポーランドの第2の都市クラクフ郊外には2,000万年前塩湖があったことからかつては岩塩鉱がありました。今では岩塩の採掘場跡であると同時に地下には岩塩を彫った壁画や装飾が施された礼拝堂があります。
クラクフ中央駅から直通の鉄道で約40分程度でアクセスすることができます。
mile de-mile撮影
クラクフ市街地からのアクセス方法については以前の関連記事をご覧ください。
岩塩鉱には縦横無尽に地下坑道が300km以上張り巡らされており、そのうちの約3.5kmが観光用として整備されています。
混雑を避けるため8:30頃に到着して9:00からの坑道見学ツアーのチケットを購入しました。
坑道見学にはガイドが付きますが、言語は英語、ポーランド語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ロシア語の6ヶ国語ですので多くの日本人の方は英語で参加するのが良いかと思います。
英語は30分おきくらいに一日に19回程度ツアーがありますが、その他の言語は1日に3~6回程度と回数が少ないので、英語の方が時間の自由が利きますね。
ヴィエリチカ岩塩鉱ホームページより引用
ツアーは20人ほどのグループになり、地下坑道のある地下64mまでひたすら階段を下りるところから始まります。
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約25階の建物の屋上から1Fへ下りるようなイメージです。らせん状の階段をぐるぐる、ぐるぐる…。
整備された坑道に下り立ちます。目指すはこの岩塩鉱のハイライトである地下のキンガ礼拝堂です。
坑道内は外よりも涼しく、夏でも一枚羽織る物を持っていくことをお勧めします。坑道の壁面は石や丸太が組まれているところもあれば、岩塩がむき出しのままの所もあります。
mile de-mile撮影
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道すがらには神話や歴史がモチーフとなった塩のモニュメントがところどころに出てきます。そのたびにガイドからその説明が行われます。もちろん外国語ですが…。
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それらのモニュメントの中でもこの岩塩鉱が有名になった「キンガ妃の指輪事件」という逸話をモチーフにしたものがあります。
その伝説を簡単に説明すると、キンガとは13世紀のポーランド国王妃の名前で、キンガは慈善活動に従事したいため一生独身を決めていたため、国王との結婚に乗り気ではなく、今のルーマニアにある岩塩鉱の中に結婚指輪を放り投げました。
しかしその10年ほど後にこのすでに岩塩採掘が行われていたヴィエリチカの塩置き場で立派な指輪が見つかったと評判になり、キンガが見に行くとまさに自身が投げ捨てた指輪でした。ルーマニアから輸入した岩塩をこのヴィエリチカで保存していたのです。こんな偶然なことは無いとこのヴィエリチカを掘り進めると莫大な岩塩鉱があることがわかり、岩塩採掘が国の一大事業となりました。
ルーマニアでキンガが投げ捨てた指輪をこのヴィエリチカで再び目にした時の彫像です。左がキンガ妃、右は指輪を見つけた坑夫です。
mile de-mile撮影
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この彫像が岩塩で作られているというのが素晴らしく、驚きです。
さらに階段で下へ下へ、そして先へと進んで行くと今回のハイライトである礼拝堂が現れます。この礼拝堂は当時掘削作業をしていた坑夫が信仰の祈りをささげるために坑夫たちが自ら岩塩を掘って作ったものです。
大きな空間にはシャンデリアがぶら下がり、壁面には壁画、正面奥には祭壇が作られています。
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壁画にはこの地の伝説や有名な最後の晩餐をモチーフにしたものがあります。岩塩を掘って作られたとは思えないような精巧なものです。
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正面の祭壇には十字架とキリスト像が配置されています。当時の坑夫たちはこのキリストにさまざまな祈りをささげたのでしょう。
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これが地下100mのところに作られた礼拝堂とはおもえないような強固な空間になっています。
ここから出口に向かって塩湖の名残か地下水が貯まった貯水池などを見ながら再び進んで行きます。出口少し前にはお土産ショップがあり、食用の岩塩などお土産としてもって帰られるものも売っています。
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行きは初めに64mひたすら階段を下りましたが、帰りそれを上るのは大変ですが安心してください、エレベーターがありますので。
ツアーは約2時間程度で階段もありずっと歩きっぱなしなので少々疲れますが、13世紀以来稼働してきた坑道や礼拝堂は一見の価値あると思います。ぜひ、クラクフを訪れた際にはヴィエリチカの岩塩鉱へ足を延ばしてみてください。
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