飛行機に搭乗する時に必ず確認するものの一つに便名があります。便名はエアラインの2桁コードに数字3桁あるいは4桁がセットになっているものです。
2桁コードはIATA（国際航空運送協会International Air Transport Association ）が定める各エアラインに割り当てられたアルファベットや数字の組み合わせでIATA航空会社コード（2レターコード）と呼ばれています。
卑近なところでは、
日本航空はJL
全日空はNH
シンガポール航空はSQ
といった具合です。
変わったところでは、スターフライヤーが7G、インドのジェットエアウィズが9Wと数字が混じっているものもあります。
ちなみに全日空は普段ANAですがIATAコードの「NH」は前身が日本ヘリコプター輸送であったことが窺える名残です。
そこに3桁または4桁の数字がくっつくのですが、その数字には規則や何か意味があるのでしょうか？
mile de-mile撮影
◆奇数はインバウンド、偶数はアウトバウンド？
私は自国に到着する便（上り）が奇数で自国から出発する便（下り）が偶数であることが多いのかと思っていました。
日本航空のJL010便は東京成田→シカゴ行きで、JL009便はシカゴ→東京成田行きです。
同じく全日空のNH180便は東京成田→メキシコシティ行きでNH179便はメキシコシティ→東京成田行きです。
しかし同じ日本航空でもJL416便(偶数)パリ→東京成田でJL415便は東京成田→パリ(奇数)とインバウンドとアウトバウンドが逆転しています。
東から西へのフライトが奇数で西から東へのフライトが偶数と考えるとしっくりくるようです。
香港のキャセイパシフィック航空CX233便は香港→ミラノ(東→西、奇数)でCX234便はミラノ→香港(西→東、偶数)で上の規則に当てはまっています。
アメリカのユナイテッド航空UA044便はサンフランシスコ→チューリヒ(西→東)、UA045便はチューリヒ→サンフランシスコ(東→西)です。
しかし、この規則は世界共通であるわけではありませんので、あくまで目安です。
◆若い数字や10や100のようなキリ番は特別な路線！？
多くのエアラインでは001便は1番初めの便なので歴史があり、何よりそのエアラインが注力する路線(いわゆるドル箱路線)であることが多いです。
日本航空JL001便はサンフランシスコ→東京成田であるのに対し、全日空NH001便はワシントンDC→東京成田です。同じ日本のエアラインでも001便の就航地が異なるのが面白いです。
全日空は001〜012便を東京成田↔︎アメリカ各都市を結んでおり、続く013〜041便は東京羽田↔︎大阪伊丹を結んでいます。東京羽田↔︎大阪伊丹はアメリカ線に続く番号が割り振られていますので、国内線では最重要路線という位置付けなのでしょう。
そのほかの主な航空会社の001便を見ると、
・カンタスオーストラリア航空QF001シドニー→シンガポール→ロンドン(LHR)
・ブリティッシュエアウェイズBA001ロンドン→シャノン(アイルランド)→ニューヨーク
・ルフトハンザドイツ航空LH001ハンブルク→フランクフルト
・シンガポール航空SQ001サンフランシスコ→香港→シンガポール
・アメリカン航空AA001ニューヨーク(JFK)→ロサンゼルス
・エアカナダAC001トロント→東京羽田
・マレーシア航空MH001ロンドン(LHR)→クアラルンプール
などがあります。
以遠権フライトもいくつかありますし、エアカナダはトロントと東京羽田線を001便に設定してくれているんですね。重要路線としてくれているのなら光栄なことです。
逆に001便が無いエアラインは、
タイ国際航空やフィンエアー、エアインディア、ヴェトナム航空、キャセイパシフィック航空、アリタリア航空、エールフランスなどです。
001便ではありませんが、
・エールフランスAF010がニューヨーク(JFK)→パリ(CDG)
・キャセイパシフィック航空CX400が香港→台北(桃園)
など、キリ番にもそのエアラインの重要路線が割り振られています。
タイ国際航空には001便がないどころか100や200などのキリ番もありません。一番小さい数字はTG102バンコク(BKK)→チェンマイです。
mile de-mile撮影
エアラインによって過去からの社内文化や考え方があるようで、便名のつけ方にはなんとなくの規則性があるようで、厳密には無いのが現状のようです。
これから夏休みで国内、海外で飛行機に搭乗する機会も多いことと思います。搭乗前には必ず便名は確認します。便名を見た時にその数字の裏側にあるエアライン側の思惑を考えて一人ほくそ笑んでみてください！
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