インド北部の都市アムリトサルからリキシャを走らすこと50分。インドとパキスタンの国境では両国の国旗をしまう降納式が毎夕行われています。
印パと言えば両国の帰属をめぐってドンパチやっているイメージですが、この降納式は穏やかな様子で、観光の一つとして見どころです。
アムリトサルはインドの北部にあり、頭にターバンを巻くシック教徒の総本山として有名な都市です。デリーからは飛行機で1時間程度、夜行列車でひと晩といったところです。
Google Mapより引用
Google Mapより引用
アムリトサル観光の一つにゴールデンテンプルがあります。シック教徒の寺院で水に浮かび、金色に光り輝いています。
mile de-mile撮影
そんなアムリトサルの郊外は隣国パキスタンと接しており、毎日夕方になると国境の門に掲揚していた両国の国旗を降ろす降納式が行われるのですが、その降納式が一風変わっているのです。
アムリトサルのゴールデンテンプル近くでリキシャ(オート三輪車)を捕まえ、ひたすら田舎道を走ること約50分。時刻は午後5時ごろ、まだ国境まで少しあるという手前でリキシャの運転手に降ろされます。
mile de-mile撮影
見れば、周囲にはリキシャがたくさん屯しており、リキシャの運転手には降りた地点で待ってもらって、どうやらここから国境までは徒歩で行けというのです。歩くのは10分程度でしょうか。
国境に続く一本道を走って行くインド人の子どもや大人がいます。一緒になって歩いていくと国境の門が見えてきます。その先には観覧席のような階段状の座席ができていて、ここで両国の国民が自国の兵隊のパフォーマンスを見学するのです。
mile de-mile撮影
(インド側)
mile de-mile撮影
(パキスタン側)
パキスタン側はゆったりシートと言った感じで、観客はインド側の方が圧倒的に多かったです。
午後4時もしくは5時ごろになると降納式が始まります。何時から始まるかは季節によって異なるようで、私が訪れた時は5時ごろから始まりました。現地のホテルなどで確認すると良いと思います。
mile de-mile撮影
両国の兵隊が互いを牽制しながら足を高くあげ、行進するように?走ります。どちらが足を高く上げているか競っているようでもあり、交互にパフォーマンスするのですが、自国の番がくると、兵隊たちが自国の観客をあおってより大きな声援を送らせます。
mile de-mile撮影
mile de-mile撮影
ヒンディー語なので何を言っているのかはわかりませんが、
兵隊「どちらのパフォーマンスの方がイケてる?」
観客「インドだぜー!」
と言った感じで兵隊が問いかけて観客がそれに答えているようです。
兵隊によるパフォーマンスが終了し、掲げられていた両国の国旗が降ろされます。それもどちらが先に降ろし終わるか競っているようで、勝った方からは大きな歓声が上がります。
今まさに両国の国旗が降ろされているところです。
mile de-mile撮影
降納式は約30~40分程度で終了します。帰りは一斉に観客が立ち去るので結構な混雑ぶりですが、方々にばらけていくので次第に混雑も緩和されます。
そこからアムリトサルまでまたリキシャなどで1時間弱かけて帰るので、着いたころには暗くなっており冬は相当寒くなりますので気を付けてください。
アムリトサル観光をして、ワガボーダーのパフォーマンスを見て、国境を越えて、パキスタン側の一番近い都市ラホールへ抜けるのもありです。
ただし、パフォーマンス後は印パの国境は閉鎖されますので、前日に降納式を見て翌日国境越えをする。またはパキスタンへ入国してしまい、パキスタン側で降納式を見学するなどの工夫が必要です。
パキスタンは近年治安悪化が問題となっていますので入国後は十分に気を付けなければなりません。
また、パキスタンもインド同様ビザが必要なので、日本で取得する必要があります。
パキスタンにアライバルビザはありますが、ツアーグループのみで個人旅行者には解放されていません。
インドとパキスタンは領土や宗教で難しい関係が続いていますが、ここワガボーダーでは今日もほのぼのとした降納式が繰り広げられ、観客を沸かせています。
ぜひ、一風変わった国境のパフォーマンスを見学しに行ってみてください。
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